企業でクラウドストレージサービス「BOX」を活用する企業は増えています。しかし、便利な反面、設定や運用方法を誤ると、重大なトラブルにつながる可能性があります。
今回は、実際にあったある企業での「BOXの業務データを誤って削除してしまった」失敗談をご紹介します。似たような状況にならないための参考として、ぜひお読みください。
目次
- 今回のトラブルの概要
- なぜこのようなトラブルが起きたのか
- 復旧にかかった時間と影響
- 今後の対策と教訓
- まとめ
1. 今回のトラブルの概要
ある企業の一部門では、日常業務に「BOX」を使用していました。そこでは「業務フォルダ(最上位の階層)」の中に、各業務名のフォルダが整理されていました。
しかし、ある日、その最上位階層のフォルダを社員が誤って削除してしまったのです。
削除から復旧までのタイムライン
- 誤削除発生:15:00頃
- 削除処理完了(BOX側):23:00頃
- 復元作業完了:翌日13:00頃
削除から復元完了までに、実に約22時間がかかりました。
この間、フォルダ内の業務データには一切アクセスできず、部門の業務は完全に停止してしまったのです。
2. なぜこのようなトラブルが起きたのか
トラブルの背景には、以下のような課題がありました。
- BOXの管理者がITに不慣れな人だった
→役職のみで選任され、システム管理に対する理解が不十分。 - BOXの設定が初期状態のままだった
→最上位フォルダの削除制限がされておらず、誰でも削除可能な状態。 - 社内にクラウド運用ルールがなかった
→誤操作時の対応フローが整備されておらず、混乱が広がった。
3. 復旧にかかった時間と影響
復旧までの過程では、以下のような時間と労力が必要でした。
| 作業工程 | 所要時間 |
|---|---|
| 削除処理の完了待ち | 約8時間 |
| 削除フォルダの復元作業 | 約14時間 |
| 合計 | 約22時間 |
※フォルダの総容量:約1TB(ファイル数は不明)
この間、部署内の業務はすべて停止。特に月末や繁忙期であれば、業務全体に甚大な影響を与えていた可能性があります。
4. 今後の対策と教訓
今回のトラブルから得られた教訓と、再発防止のために実施した対策は以下の通りです。
具体的な対策
- 管理者の適正化
→ITリテラシーの高い担当者へ管理権限を移行 - BOX設定の見直し
→Enterprise設定>コンテンツ作成の制限にて
✅「管理者のみ第1レベルのフォルダ作成・削除を許可」に設定 - 社内ルールの整備
→クラウドの運用ガイドラインと緊急対応マニュアルを整備
営業担当の「その後」にも注意
サービスの導入時は手厚いサポートがあるように見えても、トラブル時には「対応できない」と言われるケースもあります。導入後のサポート体制についても事前に確認しておくことが大切です。
5. まとめ
クラウドサービスは非常に便利ですが、設定や運用ルールを誤ると大きな損害につながります。
今回の失敗から学べることは、
- 誰にでも操作ミスは起こり得る
- そのミスが「致命的」にならない設計・運用が重要
ということです。
クラウドにすべてを任せきりにするのではなく、定期的にNASなどのローカル環境へバックアップを取るといった
“逃げ道”を用意しておくのも、現実的な対策のひとつでしょう。
同じミスを繰り返さないためにも、今一度、自社のクラウド運用体制やバックアップ方針を見直してみてはいかがでしょうか。


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