ゼロから始めたドローン事業部の立ち上げ手順と体験談①|計画から資格取得までの準備ステップ

目次

はじめに

私は建設コンサルタント会社で、新たにドローン事業部の立ち上げを任され、知識ゼロから挑戦しました。
このシリーズでは、助成金や補助金の活用方法、国家資格の取得、実務導入までのステップを、全3回に分けてお届けします。

第1回では、まず基礎となる【計画の立案】から【資格取得】までの準備ステップ①〜③を詳しく解説します。

本シリーズは、これからドローン事業部の立ち上げを検討している経営者の方に向けた内容です。
なお、実際に活用した補助金・助成金は、すべての企業に適用できるわけではありません。

あくまで参考としてご覧ください。

ステップ①:ドローン事業の計画を立てる

まず、ドローンが自社のどんな課題を解決するのかを明確にする。

● 現状分析(SWOT分析)

自社の現状を「4つの要素」で整理するために、SWOT分析を行います。
SWOT分析は事業計画書にもよく使われるため、あらかじめまとめておくと便利です。

  • 強み(Strengths):自社が他社より優れている点
  • 弱み(Weaknesses):自社が他社に劣っている点
  • 機会(Opportunities):自社にとって有利に働く可能性の状況
  • 脅威(Threats):自社にとって不利に働く可能性の状況

● 課題・解決策

自社が抱える課題を明確にする。

  • 売上の停滞
  • 業務の効率化が進まない
  • 専門知識や技術の不足

これらの課題に対して、ドローンの導入が解決策となるかを検討します。
そのためには、どんな種類のドローンや機材が必要か、どの資格を取得すべきかを整理しなければなりません。
また、どこのドローンスクールで学ぶかも調べておく必要があります。

● 導入ドローンおよび機材の検討

業務で求められるレベルに応じて、導入するドローンや機材を検討します。

たとえば――

  • サーマルカメラを搭載することで、消防活動・捜索救助・インフラ点検・夜間業務などへの対応が可能か
  • LiDAR(ライダー)を搭載して、三次元点群測量まで行う必要があるのか
  • 状況写真の撮影程度で十分なのか
  • 高精度な飛行が可能なRTK機能は必要かどうか

このように、自社の業務内容にあわせて、必要な機能・性能を具体的に検討することが大切です。

以下は、DJIの産業用ドローン製品ページです。参考にしてください:
👉 https://www.dji.com/jp/products/enterprise

● 実施スケジュール

ドローン事業を始めるにあたっては、

  • いつまでに資格を取得するか
  • いつから機体を購入するか
  • いつから事業を開始するか

といったスケジュールを明確に立て、社内体制を整える必要があります。

特に、新事業に関する(ドローン事業で使える)補助金の中には、国家資格の取得が必須条件となる場合もあります。
そのため、まずはドローン事業の責任者が「二等無人航空機操縦士」の資格を取得するところからスタートすべきです。

● 3年間の成果目標を数値化

補助金の申請では、今後3年間程度の売上目標や人件費などの数値を求められることがあります。
これは、「ドローンを導入することで、どれだけの利益が見込めるのか」を確認するためです。

あくまで“目標”ではありますが、具体的な数値でしっかりと示すことが大切です。
当然ながら、ドローンを導入しても赤字の計画であれば、補助金の審査に通ることはありません。

ステップ②:人材開発支援助成金を活用する

「二等無人航空機操縦士(国家資格)」の取得には、厚生労働省の人材開発支援助成金(リスキリング支援コース)を活用できます。

人手不足が深刻化する中、企業には社員一人ひとりのスキルアップが求められています。そのため、業務に必要な資格取得に対して国が助成金を出す仕組みがあります。

これはドローンに限らず、他の資格取得にも活用可能です。
社員に資格を取らせたいと考えている経営者の方は、この制度をぜひ活用すべきです。

以下は、厚生労働省の人材開発支援助成金ページです。参考にしてください:
👉 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

● 訓練費用と条件

  • 研修経費の75%を補助(中小企業の場合)
  • 助成額の上限は、研修時間によって変わる:
     10~99時間 → 最大30万円/人
     100~199時間 → 最大40万円/人
     200時間以上 → 最大50万円/人
  • 中小企業が雇用する労働者で、10時間以上の訓練が条件
  • 訓練は、新事業展開・DX推進・グリーン化などに関連して計画されているものが対象
  • 事業内容として、3年以内に行う新規事業への取り組みを明確に記載する必要
    etc

以下は、厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)ページです。参考にしてください:
👉 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001514283.pdf

● ドローンスクール選びと助成金申請の注意点

「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」が使えるドローンスクールと、使えないスクールがあるので注意が必要です。
受講前に必ず、スクールに助成金の対象かどうか確認し、対象のスクールを選びましょう。

また、助成金の申請にはスクールが用意する書類も必要です。
そのため、通う前に必ず助成金の申請を行い、1次審査に通過してから受講するようにしてください。

訓練終了後は、2次審査(訓練実施結果報告書などの提出)を経て、問題がなければ助成金が支給されます。
なお、助成金は先払いではなく、すべての手続き完了後に後払いで支給される点にもご注意ください。

また、助成金制度を利用する場合、講習スケジュールは厳守です。
当日の仕事などで急に講習をキャンセルすると助成対象外になることもあるため、スケジュールに余裕をもって予定を立てましょう。

● 申請に向けたアクション

  1. 職業能力開発推進者の選任
     社内で職業能力開発の取組みを推進する「職業能力開発推進者」を、事業所ごとに1名以上選任します(労務・人事部門の課長クラスなどが適任)。
  2. 職業能力開発計画書の作成と周知
     経営理念・経営方針・人材育成方針などを記載した「事業内職業能力開発計画書」を作成し、社内全体に周知徹底します。
  3. 必要書類の準備
     ドローンスクールや社内から必要な書類を事前に揃えておきます。スクールに確認すれば、提出書類のサポートをしてくれる場合もあります。
  4. 労働局・ハローワークでの相談
     作成した申請書類は、労働局やハローワークに持ち込んで相談しましょう。事前にチェックしてもらえたり、アドバイスを受けることで、書類の不備や修正点にも気づけます。

少し手間にはなりますが、実際に労働局に出向いて書類を見てもらうのが確実です。
私自身も見てもらって、スムーズに申請できました。

ステップ③:ドローンスクールで勉強し国家資格を取得する

国が認定するドローンスクールを卒業することで国家資格の実地試験が免除されます。

ただし、学科試験は別途受験して合格する必要があります。
とはいえ、学科・実技ともにドローンスクールでしっかり学べるので安心です。

まずは、ドローン事業の責任者が「二等無人航空機操縦士」の資格を取得することから始めましょう。

● 資格取得までの期間

私の場合、国家資格の取得までに約4カ月程かかりました。

というのも、試験にすべて合格して終わりではなく、合格証明書の発行や技能証明書の申請・発行など、いくつかの手続きが必要で、それぞれに時間がかかるからです。

まとめ

第1回では、ドローン導入の土台となる「計画」「助成金申請」「資格取得」の準備ステップを詳しく解説しました。計画的に動くことで、ゼロからでも確実にスタートできます。

次回の記事では、補助金申請とドローン本体の購入・教育体制の整備までをご紹介します。

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